ケンゾーエステート 買取に役立つ知識
ケンゾーエステートとは
世界的なゲームメーカー「カプコン」の創業者である、辻本憲三氏がオーナーのワイナリー『ケンゾーエステート(KENZO ESTATE)』
ケンゾーエステートが誕生したのは、1990年にナパヴァレーの土地をカプコンが購入したことが始まりです。
この土地の広さは470万坪にもなり、東京ドーム約310個分にあたります。
最初はワイナリーのために購入したのではなく屋外アミューズメント事業を展開するために土地を購入しました。
カプコンは当時、日本・アメリカともにトップのゲームメーカーでした。
そんな中、アメリカではゲーム業界に対する批判の声があり、「ゲームが子供たちのインドア志向を助長している」というものでした。
世間の声に対しカプコンの在り方に社会性を求めようとなり、屋外アミューズメント事業(馬と戯れるテーマパーク)を展開することにしました。
ワイン事業進出
最初は有名な乗馬クラブがあったのですが、負債が70億円にも膨れ上がったことがあり、辻本憲三氏が個人で土地を購入しました。
ワイン造りを始めたきっかけは他のワイナリーから「土地を貸してほしい」と言われることが多く、ワイン造りに適した土地だとわかったことがきっかけです。
ワイナリーへの貸し出し条件の報酬が30年先だったので、ワイナリーに貸すことなく辻本憲三氏自らワイン造りを始めました。
最初はワインの知識も人脈もない状態でしたが、「カプコンの創業者が100億円をつぎ込んでワイナリーをやる」という大きなニュースになり、様々なニュース・メディアに取り上げられました。
圧倒的クオリティ
その後、地元の協力もあって1999年に14万株のブドウの苗を植えて2001年に初めてのワインが出来上がりました。
悪くない出来だったのですが、現在のケンゾーエステートの栽培家のデイビッド・アブリューから「この土地ならもっと美味しいワインが作れる」と言われました。
デイビッド・アブリューがケンゾーエステートに参加する条件が、「現在植えてある14万本のブドウの樹をすべて引き抜いて畑を作り直す」ことでした。
デイビッド・アブリューは「ブライアントファミリー」「コルギン」「ハーランエステート」などの名だたるカルトワインを生み出した葡萄を栽培してきた栽培家です。
これに対して辻本憲三氏は即決で14万本のブドウの樹を引き抜くことを決断しました。
この決断ができた理由のひとつとして、嗜好品(ワインもゲームも)は圧倒的なクオリティでなければ見向きもされないという考え方があったからです。
また、デイヴィッド・アブリューから「トップレベルのワイン造るならワインの勉強をしておいて」と言われ、1万円以上のワインを1万本購入し4年間で4,000本ものワインを飲み比べました。
470万坪もの土地で葡萄の栽培に使われている土地は3%にも満たない12万坪です。