ワイン投資について
日本ではまだまだポピュラーでないワイン投資ですが、ヨーロッパでは昔から資産運用の一つとしてワイン投資が行われています。
特にフランスでは銀行融資の際にワインの資産価値が担保として認められるうえ、相続税がかからないといった「さすがワイン本場!」と言わんばかりの利点があります。
日本では、ワインは相続税の対象となりますが、純粋に投資対象としてのメリット=値上がり後の売却益や利回りにおいて高いリターンが得られるとワイン投資の人気が高まってきています。
メリット
①分散投資
資産運用の観点からみた場合、株や不動産以外に分散投資できるという点です。
似たような性質のものとしては、絵画などの美術品があります。
資産全体のリスクを下げるには分散投資が不可欠で、他の投資対象商品と値動きが異なり、相関性が低いワインはその対象となりえそうです。
②需要バランスのゆがみ
ワインは商品投資に分類されますが、他の商品と異なっている点として、いいワインほど希少性が高く、同じワインは二度と手に入れられないということです。
ワインの場合、銘柄が同じでもヴィンテージ(生産年)によって価値が違います。
さらにワインは日々消費されていきますので、需要という視点でみると市場に供給されているワインは常に減っていくということになり、需要が勝って価値が年々上がっていくということがいえます。
2006年に亡くなったブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」のワインですが、今ではとんでもない高値で取り引きされていますよね。生前から彼の造るワインは人気でしたが、その死後もう二度と市場に供給されないとなったと同時に価格が急騰したという事例もありました。
③長期投資との相性
投資対象となるような高級ワインは長期熟成に強く、長い時間を経て味がよくなり、価値が上昇します。
長熟タイプのボルドーワインであれば、飲み頃になるには15年〜20年は熟成が必要でなかには100年経っても劣化せず熟成が続いているワインもあります。
こうした性質から、ワインは長期投資に最適だといわれています。
デメリット
①流動性リスク
ワイン投資には、株式のような取引所がありませんので売り手と買い手の相対取引となります。
さらに市場が小さいため、流動性が低く、値上がりがなかなか見込めない、売りたいときに売れないなどの可能性があります。
②保管費用が高い
ワインは瓶に詰められてからも熟成が進み、その風味は絶えず変化しています。
高く売るためにはなるべくいい状態で保管しておくことが望ましく、湿度や温度管理が重要になってきます。
それらを叶えるためにはセラーの準備、年中無休の空調管理など、ワイン投資には意外とお金がかかるということも考慮して始めましょうね。
ワイン投資は分散投資し、リスクヘッジできる有効な資産運用方法の一つです。収穫の年ごとにワインの出来が違うことや、長い年月を経て価値を高める必要があるため長期投資に向いています。
ワインを自ら楽しみながら投資の要素を取り入れ、じっくり値上がりを待つのが一番良い投資の楽しみ方ではないでしょうか。