ワインの人気シャトー
ボルドーワインは「シャトー(Chateau)〇〇」と付いていることが多く、世界で最も有名なワインのひとつです。
今回はワインの中でも最も人気が高いといっても過言ではない「5大シャトー」を除いたオー・メドックで格付けされている第2級~第5級の中から人気が高いシャトーをご紹介いたします。
シャトーカロンセギュール
フィットやラトゥールを所有したセギュール侯爵がとりわけ愛したのがシャトーカロンセギュールです。
侯爵の思い「われラフィットをつくりしが、わが心カロンにあり」がラベルのハートに込められています。
敷地のサン・テステフはブメドックの最北、内陸に位置しています。この地の気候と土壌が、カロンの骨太ワインを生み出します。
凝縮したタンニン、キリッとした酸が特徴的でしっかりとした存在感、長期熟成に耐えうる伝統的なボルドーワインです。
シャトーパルメ
シャトー・マルゴーに次ぐとも匹敵するとも言われるシャトー・パルメは、格付けは第3級ですが、取引は、1級シャトー以下、2級シャトー以上の価格帯で行われています。このことからもパルメのワインが高品質、高価値がわかります。
シャトーは、ワイン街道の脇、イッサン村にあります。他のシャトーに比べてメルロの比率が高いので、華やかさに豊かさと厚みが加わったワインになります。芯がありながら柔らかな印象です。
シャトーレオヴィルラスカーズ
「サン・ジュリアンの王」と称されるシャトーレオヴィルラスカーズは、高品質ワインを安定して送り出していることから1級並みのスーパーセカンドと言われています。
水はけのよい砂利質の畑で育まれた良質ぶどうから造られるワインは、厚みがあり、果実の香りと酸が見事に調和しています。
作り手には、フードフレンドリーでありたいという思いもあります。食事とともに楽しむのもおすすめなワインです。
シャトーラグランジュ
中世の時代から続くシャトーラグランジュは、1855年に第3級に格付けされています。
1983年に、サントリーが経営参画したことで、ぶどう樹や設備の改革が大きく進み、2005年には「自然環境に配慮した栽培」のお墨付き、テラ・ヴィティスの認証も取得しました。
118haという広大な畑は100以上に区分され、人の手と最新設備の両面で細かく管理しています。
ラグランジュのワインは、凝縮した果実味にタンニンが豊かにとけ込んだ芳しさと高貴さがあふれるワインです。
シャトーランシュバージュ
1855年の評価で5級シャトーに格付けされたシャトーランシュバージュは、1930年代に名オーナーと言われるジャン・シャルル・カーズの所有となり、
以降カーズ家4代に渡り品質の向上に力を注いできました。近年では毎年のように高評価を得、スーパーセカンドと称されています。
バージュの丘と呼ばれる場所にある畑は、質の良いカベルネ・ソーヴィニヨンが収穫される銘醸地です。そのため、タンニン豊富で重厚、力強さがありながらまろやか、長期熟成型ワインとなっています。
シャトーモンローズ
常にシャトーコスデストゥルネルとライバル関係にあるのが、格付け2級のシャトーモンローズです。
近年、モンローズでは1級昇格をも視野に入れたオーナーの交代がありました。
モンローズの67haの畑は、海にも近く、川に傾斜しています。
引き締まった酸を含むぶどうが早く熟し、粘土質土壌がスパイシーさと土の風味を与えます。
閉じこめられた魅力がゆっくりと開いていく骨太ワインです。
シャトーピションロングヴィルコンテスドラランド
もともとは1つのシャトーだったピションロングヴィルが分割して「ピションバロン」と「ピションラランド」になっています。
その後ピションラランドは、1978年に引き継いだランクサン夫人の手腕により人気銘柄に仲間入りしました。
多くのシャトーが点在する村ポイヤックは、ぶどうの生育環境に優れ、格別なカベルネ・ソーヴィニヨンが生み出されます。
シャトーピションロングヴィルコンテスドラランドは、気品ある味わいから、ポイヤックの貴婦人と称されています。
シャトーコスデストゥルネル
商才ある創始者ルイ・ガスパールが「コス」と呼ばれていたぶどう畑を譲り受けたことからシャトーコスデストゥルネルの歴史は始まります。
ガスパールがインドへの輸出で成功を収めた象徴が醸造所にそびえるパゴダです。
サン・テステフの南端にある畑は91ha、うち60%は、丘の上にあり力強さのカベルネ・ソーヴィニヨンを 丘の下部40%で華やかさのメルロが栽培されます。しなやかなタンニンとリッチな果実味、限りなく1級に近いスーパーセカンドと称されるワインです。
シャトーデュクリュボーカイユ
1953年から、高品質ワインを造り出してきたシャトーデュクリュボーカイユは、1級格付けシャトーがないサン・ジュリアンで優秀すぎる2級格付けシャトーに位置しています。
ジロンド河沿岸に向かう畑は、砂利質なので水はけがよく、日当たりや風通しも良いことから年ごとの品質に波がありません。重ったるさのない豊かで均整のとれた味わい、寝かせる楽しみがあるワインです。
シャトーレオヴィルポワフェレ
1つの畑が分家してできたサンジュリアン村の3レオヴィルの1つレオヴィル・ポワフェレは、不遇の時代もありましたが、1979年にディディエ・キュバリエ氏が入って以降は高評価を取り戻しています。
シャトー・ラトゥールに隣接する畑は水分や栄養素が低く質の良いカベルネ・ソーヴィニヨン・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンが育ちます。
3レオヴィル一繊細なシャトーレオヴィルポワフェレのワインは、果実味が豊かでタンニンはやさしく品の良い味わいです。
シャトーピションロングヴィルバロン
ピションロングヴィルが分割して姉妹が継いだ「ピションラランド」のワインは女性的で優しいワインですが、兄弟が継いだ「ピションバロン」は重厚で男性的なワインになっています。
ジロンド川の真南に面した畑は近隣に名門シャトーが点在する銘醸地です。味わいは、濃厚な果実味と甘いタンニン、涼やかな樽香やフローラル感もあります。愉しさが感じられるワインです。どの年代ものも寝かせる価値があります。