外飲みでも家飲みでもポピュラーなお酒、ウイスキーは、大きく二つに分けられます。また、世界の産地別に、品質の良いウイスキーを多く送り出している「世界5大ウイスキー」と呼ばれているものもあります。 ウイスキーの定義は、原料、製法、熟成年数など、国によって違いますが、「穀類を原料として、糖化、発酵の後に蒸溜をおこない、木製の樽で貯蔵熟成させてできるお酒」とされています。ここでは、そんなウイスキーの違いや種類、特徴などを見ていきます。
ウイスキーの種類
ウイスキーは2種類ですが、その2種類をブレンドして造られたものもあります。
モルトウイスキー
モルトウイスキーは大麦麦芽、モルトの実を原料に単式蒸溜器を使って造られたウイスキーです。
豊かな香りと個性的な味わいが特徴です。多くのモルトウイスキーは、3.のグレーンウイスキーに比べてアルコール度数が低めです。
・シングルモルトウイスキー
一つの蒸溜所で造られたモルトウイスキーだけをボトリングしたものをシングルモルトウイスキーと呼びます。蒸溜所ごとに異なる豊かな味わいや際だつ個性が、シングルモルトウイスキーの魅力です。
グレーンウイスキー
グレーンウイスキーは小麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料に連続式蒸溜器を使って造られたウイスキーです。連続式蒸溜器での蒸溜により、香りや味わいはひかえめとなっています。1.のモルトウイスキーに比べて、アルコール度数は高めです。
ブレンデッドウイスキー
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造られたウイスキーをブレンデッドウイスキーと呼びます。個性ある複数のモルトウイスキーにライトなグレーンウイスキーを混ぜることで、バランスのよい、より飲みやすいウイスキーになります。 香りや味わいが穏やかでやさしい甘みを持つ銘柄が多く揃っています。ウイスキー初心者の方はブレンデッドウイスキーから始めるのがいいかもしれません。
世界5大ウイスキー
ウイスキーは世界中で製造されています。その中でも生産量が多く、高品質の「スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本」のウイスキーを世界5大ウイスキーと呼びます。
スコットランド「スコッチウイスキー」
世界のウイスキーの約60%を占めるウイスキーの代表格ともいえるスコッチウイスキーの蒸溜所は、100以上あります。地域、蒸溜所ごとで製法や香りが異なり、個性豊かなウイスキーが揃ったラインナップの充実度も魅力です。 麦芽を乾燥させる際の泥炭、ピートの燻し香が特徴で、このスモーキーさがスコッチウイスキーの人気理由のひとつでもあります。
アイルランド「アイリッシュウイスキー」
12世紀のころ、すでに大麦を蒸溜した記録が残っているほどの歴史あるアイリッシュウイスキーは、ウイスキーの元祖ともいえます。アイルランド共和国や北アイルランドで製造されています。 麦芽の乾燥に石炭を使うのでスモーキーさはなく、独特のオイリー感があります。まろやかな甘みと軽い風味、飲みやすいウイスキーです。
アメリカ「アメリカンウイスキー」
アメリカで作られるウイスキーの総称がアメリカンウイスキーです。 有名な「バーボン」は、ケンタッキー州、「テネシー」は、テネシー州で造られています。トウモロコシやライ麦が原料で、赤みがかった色、甘みある香ばしい味わいが特徴のウイスキーです。
バーボンウイスキー
アメリカンウイスキーの中の1つ、バーボンは、トウモロコシ51%以上で造られるものを指します。シングルモルトウイスキーやブレンデットウイスキーに比べ、赤みが深めで、力強い味わいですが、内側を焼いたホワイトオークの樽で熟成された甘さと香ばしさで飲みやすいウイスキーに仕上がっています。
カナダ「カナディアンウイスキー」
世界5大ウイスキーの中では最も歴史の浅いジャパニーズウイスキーは、スコッチウイスキーをお手本に日本人の嗜好に合わせて1923年から造り始められました。スコッチウイスキーよりも穀物感がひかえめです。原酒が多彩に揃っています。 日本の四季、気候、豊富で良質な水資源がウイスキー造りに適していたことと日本人の繊細な感性が日本特有のジャパニーズウイスキーを造り上げました。スモーキーさ、熟成香、味わいともに優しい上品さが特徴のウイスキーです。