ブランデーの
「種類」と「ランク」とは?
そもそもブランデーとは?
ブランデーは、ウイスキーと同じような琥珀色をしていますが、材料は大麦などの穀類でなくぶどうなど果実です。
オランダ語で「焼いたワイン」を意味するとおり、ワインを造っている土地のほとんどでブランデーが造られています。
フランスをはじめとして南アフリカやオーストラリア、中南米などでも造られています。とはいえブランデーは大きく2つに分けられグレープブランデーとフルーツブランデーがあり、ぶどう以外で造られるブランデーもあります。
世界3大ブランデー「コニャック・アルマニャック・カルヴァドス」のカルヴァドスはりんごを原料としています。
ブランデーの種類
ブランデーは造られる地域や原料によって、種類が分かれます。産地やぶどう、使用する果実の違いで、香りや味わいも変わるので飲み比べの楽しみもあります。
コニャック
誰もが知る有名なコニャックは、フランスのコニャック地方で造られた香り高いブランデーです。
コニャックを名乗ることができるのは、フランスのAOC(原産地統制呼称)の条件を満たした品質が保証されたものだけです。
ユニ・ブランを代表とする白ぶどうを使い、単式蒸留器で2回の蒸留、最低2年以上、オーク樽で熟成させています。コニャック地方の生産でないブランデーはコニャックと呼べません。
アルマニャック
フランス最古のリキュールでもあるアルマニャックは、フランスのアルマニャック地方で造られた力強さのあるブランデーです。
アルマニャックもAOCの条件を満たして品質保証されてものだけがアルマニャックと呼ばれます。
ユニ・ブランを代表とする白ぶどうを使い、連続式蒸留器で1回の蒸留、1年以上樫の樽で熟成させています。
アルマニャック地方の生産でないブランデーはアルマニャックと呼べません。
フレンチブランデー
フランス産のブランデーの総称がフレンチブランデーです。コニャックやアルマニャックもフランス産なので、フレンチブランデーとなりますが、 一般的にコニャックとアルマニャック以外のブランデーを指すことが多いです。
AOCの条件など決められているわけでないので品質や原材料もさまざまです。
ピスコ
ペルー原産のぶどう果汁を発酵させてできたワインを蒸留して造られたブランデーです。
ポマースブランデー
ワイン製造時のぶどうの搾りかすに水を加え、残った酵母を使い自然発酵させて造られたブランデーです。
辛口でフレッシュな味わいが特徴です。 イタリアのグラッパが有名です。
他にも、フランスのマール、ブルガリアのラキヤ、スペインのオルホ、キプロスのジヴァニア、グルジアのチャチャ、ドイツのトレスター、ギリシャのチプロが、ポマースブランデーです。
アップルブランデー
りんごを原材料にしたブランデーですが、西洋なしも使っていることが多いです。
甘く華やかな味わいのブランデーです。カルヴァドスが有名です。
但し、カルヴァドスを名乗ることができるのは、フランス・ノルマンディー地方産のアップルブランデーのみです。
キルシュヴァッサー
種子ごと粉砕したさくらんぼを原料にしています。
ドイツのシュバルツバルト地方で作られるブランデーです。
フランスのアルザス地方では「キルシュ」と呼ばれています。
フランボワーズ
木いちごを原料としてフランスで造られるブランデーがフランボワーズです。ドイツでは、「ヒンベアー」と呼ばれます。
スリヴォヴィッツ
スモモを原料として造られるブランデーです。
生産国によっていろいろなな呼ばれ方がされますが、プラム・ブランデーと呼ばれることが多いです。主に東欧や中欧で生産されています。
深い味わいは、まさにコニャックの最高傑作です。バカラ社製クリスタル・デキャンタが、その魅力をさらなるものとしています。
バラック・パリンカ
アンズを原料として造られるブランデーです。主にチェコやハンガリーで造られているアプリコットブランデーを指しますが、 アンズを漬けただけのリキュールをアプリコットブランデーと呼ぶこともあるので購入時は、製造法などチェックが必要です。
ポワールブランデー
洋なしが原材料のブランデーです。ポワールとはフランス語で洋なしのことです。
ブランデーのランク
ブランデーは、熟成された年数や質によって、ランク、等級が決められます。ラベルに書かれた「X.O」や「ナポレオン」などが成熟度を表しています。
高価なブランデーほど長期間熟成です。また、ブランデーはほとんどがブレンドしていますが、ブレンドしている原酒の中でいちばん若い熟成年数で等級が決まります。
コントは、熟成年数を表す単位です。熟成1年目を「コント0」、熟成を始めて丸1年で「コント1」、丸2年で「コント2」と数えていきます。
ちなみに、コニャックは最低2年熟成が義務なのでコント2以上、アルマニャックはコント1から出荷が可能です。
メーカーによって「レゼルブ」「リザーブ」「ヴィエイユ」といった表記がありますが、ほとんどが、V.S.O.P以上になります。
スリースター(3つ星)
コント2以上、熟成2年以上。 コニャックはコント2以上、アルマニャックはコント1以上です。
V.S.(Very Superior)ベリースペシャル
コント2以上、熟成4~7年。 コニャック、アルマニャック共にコント2以上です。
V.O.(Very Old)
アルマニャックでコント4以上です。
V.S.O.P.(Very Superior Old Pale)
コント4以上、熟成年数7~10年。コニャック、アルマニャック共にコント4以上です。コニャックは、「リザーブ」、アルマニャックは、「レゼルブ」との表記もあります。
ナポレオン
コント6以上、熟成年数12~15年。 コニャックはコント6以上、アルマニャックはコント5以上です。
X.O.(Extra Old)
コント6以上、熟成年数20~25年。コニャックはコント10以上、アルマニャックはコント5以上です。アルマニャックでは「ヴィエイユ」との表記もあります。
オル・ダージュ
オル・ダージュ (Hors d’age)
コント6以上。コニャック、アルマニャック供にコント10以上です。最高品質です。
ブランデーを使用したカクテル
ブランデーの最もスタンダードな飲み方はストレートですが、おしゃれなカクテルで楽しむことができます。
そんなブランデーを使用したカクテルを一部ご紹介します。
アレキサンダー
イギリス国王エドワード7世が王妃アレクサンドラに献上したことから名付けられたカクテルです。
材料:ブランデー、クレームドカカオ、生クリーム、ナツメグ
サイドカー
名前の由来は諸説ありますが、バイクのサイドカーに関した説が複数あります。
材料:ブランデー、ホワイトキュラソー、レモンジュース
スティンガー
スティンガーとは”針”のことです。その名の通り、味わいに鋭さがあります。
材料:ブランデー、ホワイト・ペパーミント
オリンピック
フランスの「ホテル・リッツ・パリ」で生まれました。
1900年のパリオリンピックの記念してできたカクテルです。
材料:ブランデー、オレンジキュラソー、オレンジジュース
ニコラシカ
ニコラシカはお客様に提供された時点では未完成で、ブランデー、レモン、砂糖を口の中で混ぜて楽しむカクテルです。
材料:ブランデー、レモンスライス、砂糖
モンタナ
カクテルの名前になっている「モンタナ」とはアメリカ北西部に位置する州の名前です。
材料:ブランデー、ポートワイン、ドライ・ベルモット
カフェ・ロワイヤル
かの有名なナポレオンが好んで飲んでおり、貴族たちのあいだに広まったそうです。
材料:ブランデー、ホットコーヒー、角砂糖
フレンチ・コネクション
ジーン・ハックマン主演の映画の「フレンチコネクション」にちなんで名付けられました。 材料:ブランデー、アマレット
キャロル
キャロルとは「賛歌」という意味があります。ブランデーベースのマンハッタンとも言われています。
材料:ブランデー、スイートベルモット、パールオニオン
クイーン・エリザベス
名前の由来はエリザベス女王Ⅰ世や彼女の名前が付けられた豪華客船「クイーン・エリザベス」からとも言われています。
材料:ブランデー、スイート・ベルモット、オレンジ・キュラソー
ホーセズ・ネック
ホーセズ・ネックとは馬の首のことです。
グラスにかけたレモンの皮が馬の首に見えたことからこの名前がついたといわれています。
材料:ブランデー、レモンの皮、ジンジャーエール
トム・アンド・ジェリー
名前の由来はトム・アンド・ジェリーを生み出したジェリー・トーマスから取られています。
当初は「コペンハーゲン」と命名する予定でしたが、すでに同名のカクテルが存在したため自身の名前から名付けたと言われています。
材料:ブランデー、ラム酒、卵白、卵黄、ナツメグ、砂糖、熱湯