ポルトガルワインの産地と地図
固有品種や多彩なテロワールが生み出すポルトガルワインは世界中で高い評価を獲得しています。 世界的なワインジャーナリスト、ジャンシスロビンソン女史は、「ポルトガルの赤ワインは世界最高標準」とコメントするほどです。 実際彼女が過去13年間に行った評価では、ポルトガルの赤ワインが最高の総合ポイントを獲得しています。 ワイン評価誌ワイン スペクテーター誌においても、2016年にテイスティングされたポルトガルワインの43％が90点以上を獲得。 また、世界遺産に登録されたドウロやアレンテージョは世界で訪れるべきワイン産地として常にトップにランクインしており、ワインツーリズムの観点からも世界の注目を集めています。 そんなポルトガルワインの代表的な5つの産地と銘柄を紹介していきます。
ヴィーニョ ヴェルデ地区
ポルトガル最北部の大西洋沿いに広がる非常に広い地域です。ポルトガルのブドウ畑全体の約10%の広さを占めています。 ちなみに、ヴィーニ ・ヴィエルデとは、「緑のワイン」という意味です。その名前の通り、この地方では酸がしっかりした白ワインが多く作られます。 ぺデルナンという濃厚な味わいの白ワインを作るブドウの収穫量が多く、ローレイロというブドウで作られる白ワインも高い評価を得ています。 近年は、アルバリーニョから作られる気品ある白ワインも生産されています。
ヴィーニョ ヴェルデ地区の代表的な銘柄
キンタス ド オーメン
キンタ ダ ハーザ
ソアリェイロ
ポンテ デ リマ
アレアル ヴィーニョ ヴェルデ
ドウロ地方
世界最古の原産地指定産地として知られる銘醸地。ドウロ川の両岸には険しい斜面にブドウ畑が広がり、乾燥した厳しい気候によって凝縮度の高いワインが生まれます。 ポートワインの産地として知られていますが、近年では辛口のスティルワインも多く生産されて高い評価を得ており時に「ポルトガルのボルドー」と呼ばれています。 しっかりとした赤ワインと辛口の白ワインが知られています。 ポルトガルの北部、大西洋沿岸にあるポルト市から、東西に流れるドルロ川の上流に沿ってスペインの国境あたりまでに広がる地域でで、この地方の生産量の40％は、世界３大酒精強化ワインのひとつであるポートワインです。 味わいは基本的に甘口のものが多いという特徴があります。同じ地域に、スティルワインのD.O.C.Douro（ドウロ）と、酒精強化ワインのD.O.C.DouroのふたつのD.O.C.が存在します。
ドウロ地方の代表的な銘柄
キンタ デ クルヴォス
ラモス ピント
ケヴェド ポート
キンタ ド ヴァレ ミアオン
ダン地区
ダン地域は、古くからポルトガルを代表するワイン産地で、ポルトガルの中央部より少し北の内陸部に位置します。 ダン地域で作られるワインの80％が、ドライで力強い、タンニンを十分に含んだ赤ワインです。 トゥリガ ナシオナルや、スペインのリオハではテンプラニーリョして知られるティンタ・ロリスといったブドウが使われています。 また、生産量は多くないものの、エンクルザードという白ブドウで作られた白ワインは、とてもバランスのよい香り高いワインとして人気があります。
ダン地区の代表的な銘柄
キンタ ドス ロケス
ペラーダ
ウダカ
イレヴェレンテ
ウニオン
リスボア地区
ポルトガルの首都リスボンの北部から、大西洋沿岸にかけて広がる産地です。 この地域は、ポルトガル国内で2番目に多い生産量を誇ります。 高品質で、お手ごろ価格のワインもたくさん作られており、日本にも多く輸入されています。 地域内に代表的な9つのD.O.C.があり、有名なものに、カルカヴェロス、コラレスなどがあります。 リスボンの南部にはセトゥバルという地域があり、モスカテルという品種から酒精強化ワインが作られています。
リスボア地区の代表的な銘柄
ソッタル
カザベル
ラブラドール
キンタ ダ エスピーガ
イグジミウス
マディラ島
リスボンから南西に1,000キロ、大西洋上に浮かぶのが大西洋の真珠と言われる小島、マディラ島です。 17世紀に、エンリ航海王によって酒精強化ワインが開発されました。 マディラ、はポート、スペインのシェリーと並んで世界3大酒精強化ワインとされています。 ワインにブランデーを加えて酒精強化したあと加熱熟成し独特の味わいを作り出します。 熟成期間は最低3年以上など、さまざまな規定があります。その結果、極めて長い期間、保存できるワインへと仕上がります。 高級品に至っては1,800年代のワインも存在するほどで、数百年も前に造られたものが飲めるのです。
マディラ島の代表的な銘柄
ドリヴェイラ オールドヴィンテー
ジ マデイラ
マデイラ バーベイト
