イタリアワインの格付け
イタリアでは、1963年に「DOC法(原産地呼称管理法)」といわれるワイン法がつくられました。
トップカテゴリには「保護原産地呼称ワイン」であるD.O.C.G.、D.O.Cがあり、続いて「保護地理表示ワイン」であるI.G.T.、そして、最も下に位置するのがVdTでした。
その後、2008年に改正されたEUのワイン法に合わせてイタリアワイン法もされ、2010年5月から施行されました。
新しいワイン法によって、「保護原産地呼称ワイン」であるD.O.C.G.、D.O.C.はD.O.P.(Vino a Denominazione di Origine Protetta)に、
「保護地理表示ワイン」であるI.G.T.はI.G.P.(Vino a Indicazione Geografica Protetta)に、そして地理的表示のないVdTはVinoに変更されました。
表示は変更されたものの、ブドウの収量、ワインの収量、アルコール度などが厳しく制約され、上級ワインにのみ表示が許されるD.O.C.(統制原産地呼称)と、さらに厳しい制約をクリアして、国外へ出荷される際も検査を必要とするD.O.C.G.(統制保証原産地呼称)、そしてI.G.T.に関しては現在もワインへの表示が認められています。
イタリアワインの格付けの振り分け
D.O.C.G.(統制保証付原産地呼称ワイン)イタリアワインの格付けの中で一番厳正な規定が設けられています。申請の前に少なくとも5年間、DOCのカテゴリに属していなければなりません。農林省、商工会議所の化学・物理検査を受け、一つ一つのボトルには政府が認可(ガランティータ)したことを証明するシールが貼られます。2010年10月現在で50銘柄が認可されています。
D.O.C.(統制原産地呼称ワイン)DOCには一定の審査が定められています。すべての生産過程(栽培から出荷まで)はこの規定に基づき行われなればなりません。(生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法など)また瓶詰めの前に、規定された必要条件を満たしているかの審査、化学・物理検査が商工会議所によって行われています。
I.G.T.(地域特性表示ワイン)1992年に新設。生産地の名前が用いられます。(ピエモンテ、シチリアなど)その地域のブドウを最低85%使うことが義務付けられ、ラベルには使用されている品種と年が記載されているものも多いです。
V.d.T.(テーブルワイン)最低の基準はあるものの、その他には特に規定はなく、ブドウ品種・生産地の表記の義務はありません。(赤、白などの色の記載は義務付けられている。)DOCG、DOC申請がなされていないワインがこの分類となり、規定にしばられることなく生産されることで、質の高いワインも多く造られています。