スコッチウイスキーとは
スコッチウイスキーとはイギリス北部のスコットランド地方で造られたウイスキーのことを指します。
スコッチウイスキーは「アメリカンウイスキー」「アイリッシュウイスキー」「カナディアンウイスキー」「ジャパニーズウイスキー」と並び世界5大ウイスキーのひとつです。
スコッチウイスキーの定義
スコッチウイスキーと名乗るには、下記のことを満たさなければなりません。
- 大麦麦芽などの穀物を原料とすること
- スコットランドの蒸留所で糖化、発酵、蒸留を行うこと
- アルコール度数94.8%以下で蒸溜すること
- 700L以下のオーク樽に詰めること
- スコットランドで3年以上熟成こと
- アルコール度数40%以上瓶詰めすること
スコッチウイスキーの産地
スコッチウイスキーの中でも生産地が6つあり、「ハイランド」「ローランド」「アイラ」「アイランズ」「スペイサイド」「キャンベルタウン」があります。
ハイランド
ハイランド地方はスコットランド北部に位置します。
スコットランド北部の広大な地域を指し、1,000メートル級の山脈が連なり山や谷が多い高地のため、南部の低地ローランドと対比してハイランドと呼ばれます。
ハイランド地方には多くのウイスキー蒸溜所があって、まさにウイスキー生産の中心地といったところです。
スペイサイド
スペイサイド地方はスコットランドの北部に位置しています。
東京都と同じぐらいの広さに、スコットランドのモルトウイスキー蒸溜所の約半数が集中しており、スコットランドに110ある蒸溜所のうちの約半数にあたる54の蒸留所がひしめき合っています。
その理由は、大麦の一大産地であることに加え、スペイ川の清流が与えてくれる良水、麦芽の乾燥に用いるピート(泥炭)など、ウイスキーの原料に恵まれていること。
また、スコットランド中央部を貫くグランビア山脈の恵みである冷涼な気候は、ウイスキーの熟成に適しています。
ローランド
ローランド地方はスコットランドの南東部に位置します。
スコットランドでは、元々文化的にも民族的にも異なる北部と南部で分けられていました。東海岸の都市ダンディーから西岸のグリーノックを結ぶハイランドラインより下側です。
険しい山々に囲われたハイランドとは打って変わって、ローランドはなだらかな低地。穏やかな自然風景が広がります。西海岸と東海岸で多少気候は異なりますが、イングランドとの境目あたりはとてものどかな田園風景が広がっています。
北のハイランドと同様広大な土地で、エジンバラやグラスゴー、アバディーンといった大都市もこの地域にあります。
キャンベルタウン
キャンベルタウン地方はスコットランドの西部に位置します。
小さな港町で造られる「キャンベルタウンモルト」は「塩辛さ」が特徴的で、港町近くにある蒸留所が海や潮の香りを受けていることが影響しています。
「ブリニー」と表現されるこの「塩辛さ」。海や湖を思わせる爽やかな塩味であり、またスコッチらしい上品な甘さがそれをより引き立てています。
また、アイラモルトで有名なピート香も程良く香ります。ボディも厚めで、どちらかというと重めなので一杯で満足感があるような、そんな仕上がりです。
アイラ
アイラはスコットランドの「アイラ島」のことを指しています。
アイラウイスキーの歴史は古く、スコットランドの中でも早い時期からウイスキー造りが行われていました。
アイラウイスキーは独特な香りと味わいが特徴的で、「消毒液」「正露丸」「ヨードチンキ」の香りに例えられことがあり、これこそアイラウイスキーの最大の特徴のひとつです。これらのスモーキーな香りを「ピート香」と言います。
アイラ島にあるウイスキー蒸留所のほとんどは海の近くに面しており、海沿いにはピートと呼ばれる泥炭が豊富に含まれています。
このピートを燃やして大麦麦芽を乾燥したらスモーキーな香りが生まれます。また、ピートには海藻なども含まれているためヨード臭(磯の香り)も感じることができます。
アイランズ
アイランズはスコットランドの北西から南西にかけて点在する島々のことを指しています。
アイランズ地方でウイスキーが造っているのは「オークニー諸島」「ルイス島」「スカイ島」「マル島」「ジュラ島」「アラン島」です。
地理的にはアイラ島もアイランズ地方に含まれますが、アイラ島は蒸溜所の数が多いことと、その個性の強さからアイランズとは別に区別されています。
アイランズウイスキーには共通した特徴はなく、スコッチウイスキーの6大産地のなかでも、とくに個性派のウイスキーが揃っていることで知られています。