スケアクロウ(SCARECROW)
スケアクロウはJ.J.コーン・エステートのブドウを使用しています。
コーン・エステートのカベルネは第二次世界大戦後イングルヌックのカベルネに使われ始め、
オーパスワン、ニーバウム=コッポラ、ダックホーン、インシグニアにも使われました。
1960年代半ばに世の流れでは、台木はセント・ジョージ・ルーツ・ストックに代わって、
より優れていると思われたAxR#1ハイブリッドが使われるようになりましたが、 コーンはその流行に乗らず、
やがてAxR#1はフィロキセラに耐性がないことがわかり、まわりの生産者のブドウは壊滅的な被害を受けたものの、
J.J.コーンでは1945年植樹のセント・ジョージが僅かに残り、今では”オールド・マン“として珍重され、
そのブドウはスケアクロウに使われています。
コーン社の始祖ジョセズ・ジャドソン・コーンはロシア移民の子としてハーレムで貧困の中に育ちましたが、
長じてMGM社のプロダクション・チーフに上り詰め「ベン・ハー」「オズの魔法使い」などの作品によりハリウッドの黄金時代を築きました。
ブランド・ネームのスケアクロウは「オズの魔法使い」のカカシのキャラクターとジョゼフに敬意を表してつけたものです。
オーナーのブレッド・ロペスは1948年生まれでジョゼフの孫にあたります。
元々は商業写真専門の写真家で、顧客にリーヴァイス、ホンダ、ハーレイ・ダヴィッドソン、シボレー、コカ・コーラ社がありましたが、
1998年に商業写真撮影を引退し、J.J.コーン・エステートを継ぎました。
J.J.コーンの自社畑はナパ・ヴァレー西のテラスにある25エーカーで、標高は225から300フィート。
粘土質ローム、プレザントン・ロームで構成される東側と砂利質ロームから成ります。
ブドウ樹の樹齢の違い、ルーツストックの違いと地質の違いなど、
条件の違うブドウ樹それぞれの特徴が複雑に合わさってスケアクロウの味わいを作りだしているのです。