ジャパニーズウイスキーの品薄、終売情報について
ここ数年で劇的な変化を遂げ続けているジャパニーズウイスキー市場ですが、その動きは緩まるどころか加速を続けています。
ジャパニーズウイスキーは有名な海外のウイスキーと比べ歴史は浅いですが、ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)やインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)といったコンテストで最高賞を受賞する機会が増え、世界的に評価が高まった事で海外需要が増えたことで品薄になり、それに伴う価格高騰しています。
ジャパニーズウイスキーは国内の人気が高まると同時に海外(特にヨーロッパ)での評価、人気が高まり、深刻な原酒不足に陥っています。
ウイスキーはその製造工程に熟成という段階があって、短くても数年、プレミアム商品になると8年、12年~の間、樽で熟成させなければなりません。長いものだと20年以上も熟成させることもあります。
特に人気を集める銘柄はこうした長い熟成期間が必要で、短い周期で人気が上下すると、供給が追いつかず、結果としてせっかくの人気なのに商品を売れない、という事態が発生しました。
日本のウイスキーは1980年代をピークにかなり長い低迷期を迎えており、この時期にサントリーでは大量の樽を廃棄したそうです。
このことが今になって、深刻な原酒不足の一因にもなっています。
主な終売、休売銘柄
白州12年(2021年再販)
700mlで希望小売価格は税別8500円と休売前と変更ありませんが、年間販売数量は非公開です。
現在のノンエイジも相応のプレミアムがついているので、実売がどれぐらいになるのかわかりませんが、朗報です。
サントリー 響17年(2018年休売)
響はサントリーが誇るブレンデッドウイスキーで国際的にも多くの賞を受賞するなど、高い評価を受けています。
現在のラインナップはジャパニーズハーモニー、ブレンダーズチョイス、21年、30年となっています。
このブレンダーズチョイスは17年の休売と入れ替わるように登場しましたが、飲食店限定となっています。
現在、ラインナップに上がっているものも流通量不足でプレミアムが付いていることも多く、呑むことが困難なウイスキーになりつつあります。
ニッカ ピュアモルト(2018年終売)
ピュアモルトは、ニッカの余市・宮城峡蒸留所のモルトウイスキーをブレンドした、いわゆるブレンデッドモルトです。
ホワイトは終売で、ブラック・レッドも一般販売は終了し、蒸留所直販でのみ継続しています。
ニッカ カフェグレーン カフェモルト(休売)
ニッカの宮城峡蒸留所のシンボルともなっているカフェ式スチルで蒸留したウイスキー。
3月末で休売となり再開時期未定で、後継商品なし。このカフェモルト、カフェグレーンは2014年に販売開始し、日本に加え海外でも高い人気を誇っています。
ザ・ニッカ 12年(2019年終売)
ザ・ニッカは2014年にニッカ創業80周年 竹鶴政孝生誕120周年を記念して発売したブレンデッドウイスキーでしたが、2019年3月末で終売になりました。
4月から代替品としてザ・ニッカ(ノンエイジ)を発売しています。
富士山麓 樽熟50°(2018年終売)
樽熟50°は、2016年まで販売していた「樽熟原酒50°」がリニューアルしたもので、キリンディスティラリーの富士御殿場蒸留所で作っていました。
その翌年の2017年にマスターブレンダーが「アイコンズ・オブ・ウイスキー2017」で世界一にあたる、マスターディスティラー マスターブレンダーオブ ザ イヤーを受賞し、ウイスキー好きの注目を集めました。
これで人気沸騰したものの、富士山麓 樽熟50°は2018年末の出荷で終売しました。後継品もなく、これからはシグニチャーブレンドのみの販売になります。
ジャパニーズウイスキーの高騰
上記の終売、休売の影響もあり、近年はジャパニーズウイスキーの価格が高騰しています。
特に原酒不足の影響で終売、休売となった銘柄は高騰しやすい傾向にあります。